備忘録

WIXOSSについて考えません

ピルルクのオバサルについて

 使ってみてしっくりこなかったので、その理由について考えます。

 

 

 フラゲ等でシロナクジの情報がリークされてから、水獣軸ピルルクの構築を考えていたピルルク使いの方は多いのではないでしょうか。

 僕も例に漏れず水獣軸についての構想を練っていて、構築の参考になりそうな情報を積極的に収集していました。

 そうした中で度々見かけるものの一つがオーバーサルベージというカードで、要するに殴られるなりして処理されたシロナをこれで回収して再配置しようというわけです。

 

 話は変わりますが、僕はウィクロスにおけるルリグデッキのアーツ枠は、他TCGにおけるサイドボードのようなものだと認識しています。

 故にこの枠には、各アーキタイプに対して効力の高いカードを選択していくのがベターだと思っています。

 もちろんこれは使用しているデッキが高速・中速・低速のどれに位置するかによって変わるもので、高速デッキであればメタカードを積むよりも自身の動きを通すためのカードを採用した方が理に適っているはずです。

 

 じゃあピルルクはどういう位置づけにあるのかと言えば、僕はこのデッキを低速だと思っていて、当然アーツも出来るだけ広いテーマを見られる採択が必要になると考えています。

 

 というわけでオバサルがどういうデッキに対して効力を発揮するのかについて。

 

 まず、オバサルというカード自体は各アーキタイプに対するメタでも何でも無くて、どちらかと言えば「自分の動きをする」ためのカードだということ。

 けれどここでする「自分の動き」というものが相手の行動を制限したり、妨害することに繋がるのなら、オバサルは擬似的な防御アーツとして機能することが出来るということです。

 

 じゃあ具体的には何を回収するのさ? と考えてみると

・ACG(緑子、イオナ、ミルルン、ピルルク、ウリス?、タウィル?)

・CMR(緑子、ミルルン、ピルルク、爾改、遊月)

・シロナクジ(ウリス、ミルルン、爾改、遊月、タマ、タウィル?)

カーミラ

 大体この4種類の中から選ぶことになるのかなと思います。

 括弧内にはそのシグニがどういったテーマに対して有効なのか示しています。?は効くっちゃ効くけどそこまで有効ではなくない?程度の意味合い。ここは賛否両論あると思うけど、個人的にはこんな感じだと思ってます。

 

 こうして考えてみると、各アーキタイプに対して状況に応じた理想盤面を築けるオバサルというアーツは、使い勝手の良いものに見えてきます。

 オバサルを採用することによって、ピン差しのカードの有用性も高くなりますし、デッキ構築の自由度も上がります。フルパン等によって盤面欠損が生じた場合でもリカバリすることが可能で、このアーツ一枚が果たせる役割は意外に多いことに気づきます。

 

 じゃあどうしてしっくりこなかったのか。

 それはこれらアクションが「シグニによる対応」であるということに尽きます。

 

 僕がピルルクにおいて重視しているのは「どれだけ時間を稼げるか」ということです。これは「どれだけ点数を守れるか」に言い換えても良いです。

 ルリグアタックによる1点が(ほぼ)約束されているピルルクは、クロックのスピードこそ遅いですが、確実に相手を詰めることが出来ます。

 そのためにどれだけの時間が稼げるかは、防御アーツの採択にかかっているのです。

 

 確かにオバサルでACGを回収してロックすれば、セイリュベイアによってもたらされる筈だった2点ないし3点をカットできるかもしれません。

 CMRを回収してフルパンすれば、次のターンに相手は盤面欠損をおこし、クロックが縮まるかもしれません。

 けれどもし、回収したそれらがLBセイリュで焼かれたら? トップアグネスで処理されたら?

 守れるはずだった点数がそのまま返ってきて、その皺寄せを他の防御アーツが被ることになります。

 返し手を2つ失ったピルルクが泥試合に持ち込むことが出来るでしょうか?

 僕は難しいと思っています。

 

 シロナクジについても同様です。どれほど強固な守りであろうとも、それらを処理する手段というものが確実に存在している以上、相手の返し手依存になってしまう「盤面構築」という防御手段は信用に足るものではないと感じました。

 

 また、盤面構築によって点数を守ることが難しいアーキタイプも勿論存在していて、それらとマッチングした際のオバサルの浮き具合も気になります。

 タマとマッチングした際にドンエスが防御札として機能し難いように、他の防御札もまたアーキタイプによっては死に札となる可能性があるため、結局はどういう環境でプレイするかで採択すべきとは思います。

 僕のプレイする環境ではオバサルで点数を守れる状況っていうのは殆ど無くて、だったらそこを確実な防御アーツに回したほうが勝てるよねっていう雑感でした。

 

 そもそもオバサルは点数を守るために使うものじゃなくて、点数を守るのは残る3枚のアーツで十分っていう考え方もあるのかもしれないですけど、3枚のアーツで現環境のアーキタイプをどれだけ見られるのかな? と考えると、やっぱりこの枠は防御アーツにしたかった。

 一試合に全ての防御アーツを使うことはそうそうないけれど、試合を重ねる毎にそれぞれ異なった防御アーツを使用する機会があったなら4枚採用している意義は生まれるということです。おわり。